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社長の教科書

小宮一慶氏の「社長の教科書 リーダーが身につけるべき経営の原理原則50」(ダイヤモンド社)を読んだ。小宮氏の本はとても読みやすい。しかもタメになることが書かれている。かなり勉強をしている人だと思う。そして学んだことを、充分に咀嚼して栄養にしている人だ。そうした姿勢は見習いたい。

小宮氏は、経営の本質として以下の3点を挙げる。

1.企業の方向付け

2.資源の最適配分

3.人を動かす

会社の経営を司る社長の身につけるべきスキルを、小宮氏は、この3点に沿って説いていく。この本の最後に「成功する経営者の5つの特徴」が挙げられていて、とても参考になる(p261~)。それは次の5点である。

1.「せっかち」であること

2.人を心から褒められること

3.他人のことでも、自分のことと同じように考えられること

4.優しくて厳しいこと

5.素直さ

この5点があると、なぜ経営者として成功するといえるのか、それは実際に本書を読んで確かめてほしい。一点だけ、僕が面白いと思ったのは、「3.他人のことでも、自分のことと同じように考えられること」に触れた箇所で、引用されていた次の二つの言葉。

ひとつめは、「社長として成功したければ、『電柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、全部自分のせいだと思うえ』という経営コンサルタントの一倉定氏の言葉。それと同じ趣旨のもうひとつの言葉。「うまくいったときには窓の外を見て、失敗したときには鏡をみる」。これは「ビジョナリーカンパニー2」という本からの引用だという。成功したときには、自分以外にその要因を求め、失敗したときには、自分の足りなかった部分にその原因を求めるという姿勢。とても大切なことだと思う。